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小説未来ブログ20 [お笑い]

 前回までのお話はこちら

 熊本で取材中のコラムニスト兼サイクリストのめぇてるさんと偶然であった一行。10年前の思い出話に花を咲かせながらこれからに日程を照らし合わせます。

めぇてるさん:「うん、そうだね。それでこの後は阿蘇に行こうと思ってるのね。今回の取材テーマは環境とアンチエージングなの。阿蘇に70歳過ぎてもMTBで火口周辺を走り回ってる元気なお爺さんがいるらしいのよ。」

tac-phenさん:「えー!70過ぎてMTBで噴火口?ひょっとして黒いニットキャップにGパンとかやないの?その人」

めぇてるさん:「えー?何で知ってるんですか?そんなに有名な人?」

カレーパンマンさん:「有名も何も、自転車乗りであの旦那を知らない人はいないでしょう。20年間ブログをほったらかしにして21年目に突然20年前の記事から書き始めて、『何か?』言ってた人ですよ。」

すいすいさん:「その時間の感覚がすごいと評判になったんですよね。ひょっとして21年前からワープしてきたんじゃないかと言われています。」

tac-phenさん:「こないだもラジオ出とったわー。好きな歌手はとか聞かれてキョンキョンとか言うてはりましたでー、いつの人間や」

めぇてるさん:「そ、そ、そんなぶっ飛んだひとなんですか?コワー」

カレーパンマンさん:「ぶっ飛んでんのは今も昔も変わりませんけどね。昔は自走で姫路から北九州まで来てたし。しかも一人じゃないらしいですよ。」

すいすいさん:「ということは例のあの方もご一緒なんですね。」

tac-phenさん:「そうあの方も一緒にワープしてきたっちゅう噂。いや噂言うのが誰もあの方の姿を見たものがおらんちゅうね。ただニットキャップのおっさんがものすごいでかい声で『おのれーchari××ー』とどなっとるらしい。」

moumou:「何だかすごい話ですね。じゃあ20年前から二人一緒にワープしてきたっちゅうわけ?」

カレーパンマンさん:「誰もその姿を見たものはいませんからね。ラジオで『きょんきょん』って言った声を聞いただけでそれとて本当にあの方かどうか。もう一方は速すぎて声も録れてないみたいですから。」

70過ぎてというか80間際になってそんなアホなことをやれるのは世界が如何に広いといえどもあの人とあの人くらいでしょうと皆同じ顔を思い浮かべ阿蘇へ向かうことにした。いくら放射能がすごいからってそんなバナナことが起こるとはねえ。先頭を剛脚カレーパンマンさんに牽いてもらいながらすいすいさん、tac-phenさん、めぇてるさん、私の順番で阿蘇自転車道を突き進む。大津市までくると大きな牧場が見えてくる。牧場といっても屋根付き。高分子ポリマーシートで保護してあげないと今や牛も生きられない世の中だがここの牛たちは大屋根の下で走り回っている。

カレーパンマンさん:「ねえねえねえ、あの牛の上に乗って遊んでいる人どっかで見たことがあるような。ほらー誰だっけ?」

tac-phenさん:「あの背中の楽器はウクレレやな、angiras6ちゃうかあ?あの荷物きっとそうやで」

angiras6さん:「おーこりゃあ、どうも。元気してた?」

moumou:「いやーお久しぶりー。トレードマークのウクレレがなかったらわからなかったですよ。」

angiras6さん:「いやーこうして牛の背に揺られながらウクレレを爪弾くのもいいものです。どうです、少しは上手になったでしょう?」

tac-phenさん:「いやなー、これから阿蘇の火口までひとっ走りしてミステリーゾーンに足を踏み入れようかっちゅうとこなんや、一緒にどないや?」

angiras6さん:「せっかくですが、今ピロシキを仕込んだばかりでこれから焼きに入らないと・・・」

カレーパンマンさん:「4の5の言わんと乗る乗る、走る走る」

めぇてるさん:「火口には長渕剛の歌碑があるらしいですよ」

angiras6さん:「何?剛の?いくいく、はよ言うてよ」

1名増えて6人列車で南阿蘇村に突入。左手にはお洒落なカフェが立ち並ぶ。最近は都会を離れこういうところでカフェ経営をするのが流行っている。2番目を走っていたすいすいさん、何を思ったのか列を離れとあるカフェに滑り込んでいく。別に若い女の子がいるわけでもないのだが・・・

すいすいさん:「喉が渇いたんでここいらで休憩しませんか?」

tac-phenさん:「サイクルカフェ早蔵。どっかで聞いたような名前やなあ。あー、hayazou2002さんや。こないだ雑誌に出とったでー」

hayazou2002さんはプロカメラマンを65歳で辞めてカフェ経営に乗り出したらしい。もう全国に5店舗あるとか。

カレーパンマンさん:「いるのかなあ?」

hayazou2002さん:「うちは現金駄目だって言ってるでしょう!ポイントだけなんだから!それを売りにしているの!」

どうもお店の店員を教育中のようで、でも現金駄目ってどんな店?

hayazou2002さん:「いらっしゃ・・・、ありゃりゃこれはこれは皆さんお久しぶりですね。こんなところまできてくださるとは」

tac-phenさん:「いやー店舗拡大とはきいとったけどここまでやるとはなあ。殆ど趣味だけでやっとるでしょう?」

moumou:「現金禁止でマイルポイントだけってのが面白いですね。それで儲かるんですか?」

hayazou2002さん:「キックバックキックバック。航空会社が提携してくれていますからねえ。それだけでも十分なんです。」

カレーパンマンさん:「すごい、最後に富を得るのはこういう人なんですねえ。」

すいすいさん:「ところで阿蘇の火口に70過ぎてMTBで爆走している爺がいると聞いたんですがご存知ですか?なんでも黒いニット帽を被り一見忍者のような爺らしいんですが」

hayazou2002さん:「噂は聞いていますがまだ会ったことはないですね。見た目30代にしか見えないらしいですがそんなことってありますかね?」

tac-phenさん:「やっぱり直接行ってこの目で確かめるしかないやろ!なー!もう一人も見つけないと」

めぇてるさん:「アンチエージングの秘薬を使っているかもしれないわねえ」

カフェ早蔵で美味しいコーヒーをご馳走になり一行は再び火口へ向けて出発。hayazouさんもあの凸凹コンビがあの姿のまま今も走っているという噂が気になり一緒に行ってくれる事になった。火口のダートに入り込んだら我々ではついていけない。hayazouさんのMTBに御願いするしかないわけだ。

しばらくするとカレーパンマンさんのヘッドマウントディスプレイにメールが届く。どうやらU太withこーじさんが宮崎を出発して阿蘇で合流するらしい。U太君も今では2児のお父さん。子供にもMTBを買ってあげて一緒に走っているらしい。さすがはこーじさんの教育がそのまま受け継がれているわけで羨ましい限りだ。メールはもう1通。千葉からフェリーで向かっていたあの方が延岡経由で阿蘇に来るらしい。そう、あの方です。今や千葉の黒薩摩で有名になったあの方。10年前に美山の窯元を滅茶苦茶にしてしまったあの事件が懐かしいですね。しかもこの方今回は阿蘇で個展を開くらしい。ただの愛妻家と思っていたんだが陶芸の世界ではすごい人になっちゃったらしい。陶芸といえば10年前にう○このオブジェを作って顰蹙をかった大阪のあの方も仲間を引き連れてこっちへ向かってるという噂が・・・。

とまあこんなあんなで更に一人増え列車は続くのでした。つづく・・・


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